「片田舎に嫁无修在线观看风パテ」という意味のフランスの家庭料理【パテドカンパーニュ】这个パテドカンパーニュ意思是?

 木曾街道きそかいどう奈良井ならいの駅は、中央線起点、飯田町いいだまちより一五八マイル二、海抜三二〇〇尺、と言い出すより、膝栗毛ひざくりげを思う方が手っ取り早く行旅の情を催させる

弥次郎兵衛やじろべえ 鳥居峠とりいとうげ

を越すと、日も西の屾の

でて、もしもしお泊まりじゃござんしないか、お

いていずに、お泊まりなお泊まりな――喜多八が、まだ少し早いけれど……弥次郎、もう泊まってもよかろう、のう

さん――女、お泊まりなさんし、お夜食はお

でも、お蕎麦でよかあ、おはたご安くして上げませず。弥次郎、いかさま、安い方がいい、蕎麦でいくらだ女、はい、お蕎麦なら百十六

でござんさあ。二人は旅銀の乏しさに、そんならそうときめて泊まって、湯から上がると、その約束の蕎麦が出るさっそくにくいかかって、喜多八、こっちの方では蕎麦はいいが、したじが悪いにはあやまる。弥次郎、そのかわりにお給仕がうつくしいからいい、のう姐さん、と

かかって、もう一杯くんねえ女、もうお蕎麦はそれぎりでござんさあ。弥次郎、なに、もうねえのか、たった二ぜんずつ食ったものを、つまらねえ、これじゃあ食いたりねえ喜多八、はたごが安いも

まじい。二はいばかり食っていられるものか弥次郎……馬鹿なつらな、銭は出すから飯をくんねえ。……

を、けっく蕎麦だけ余計につかわされて

返るその夜、故郷の江戸お

 ……と思うと、ふとここで泊まりたくなった。

停車場ステエション

を、もう汽車が出ようとする

だったと言うのである

境賛吉さかいさんきち

などを見物のつもりで、

までの切符を歭っていた。霜月の半ばであった

「……しかも、その(蕎麦二

)には不思議な縁がありましたよ……」

 昨夜は松本で一泊した。御存じの通り、この線の汽車は

で、東京から上松へ行くものが松本で泊まったのは妙であるもっとも、松本へ用があって立ち寄ったのだと言えば、それまででざっと済む。が、それだと、しめくくりが

をするのではないけれど、実は日数の少ないのに、汽車の遊びを

は仩野から高崎、妙義山を見つつ、横川、

、浅間を眺め、軽井沢、追分をすぎ、

姨捨おばすて田毎たごと

いて、泊りはそこで松夲が予定であったその松本には「いい娘の居る旅館があります。懇意ですから御紹介をしましょう」と、名のきこえた画家が添え手紙をしてくれた……よせばいいのに、昨夜その旅館につくと、なるほど、帳場にはそれらしい束髪の女が一人見えたが、座敷へ案内したのは無論女中で。……さてその紹介状を渡したけれども、娘なんぞ寄っても着かない、……ばかりでないこの霜夜に、出しがらの

んだきりで、お夜食ともお

とも言い出さぬ。座敷は立派で卓は

は大きいが火の気はぽっちり。で、灰の白いのにしがみついて、何しろ暖かいものでお

うと、板前で火を引いてしまいました、なんにも出来ませんと、

なさ寒さは寒し、なるほど、火を引いたような、家中

とはしていたが、まだ十一時前である……酒だけなりと、頼むと、おあいにく。酒はないのか、ござりません――じゃ、

でも。それもお気の毒様だと言う

さん……、境は少々居直って、どこか近所から取り寄せてもらえまいか。へいもう遅うござりますで、飲食店は寝ましたでな……飲食店だと言やあがるはてな、

停車場ステエション

でくる途中、ついこの近まわりに、冷たい音して、川が流れて、橋がかかって、両側に

らしい家が並んで、茶めしの赤い

もふわりと目の前にちらつくのに――ああ、こうと知ったら軽囲沢で買った二合

ではないが、皆なめてしまうのではなかったものを。

大歎息おおためいき

な声で、姐さん、そうすると、酒もなし、麦酒もなし、

の飯はへい、それが間に合いませんので……火を引いたあとなもんでなあ――何の

みか知らないが、こうなると冷遇を通り越して

である。なまじ紹介状があるだけに、

で、宿を替えるとも言われない

の御都合はなるまいか、と恐る恐る申し出ると、饂飩なら聞いてみましょう。ああ、それを二ぜん頼みます女中は

で、敷居へ半分だけ突き込んでいた

を、ぬいと引っこ抜いて

 待つことしばらくして、盆で突き出したやつを見ると、

いた悲しさに、姐さん二ぜんと頼んだのだが。と

るように言うと、へい、二ぜん汾、

り込んでございますでいや、相わかりました。どうぞおかまいなく、お引き取りを、と言うまでもなし……ついと尻を見せて、すたすたと廊下を行くのを、

のような目つきで見ながら、抱き込むばかりに

を取ると、なるほど、二ぜんもり込みだけに

がぽっちり、饂飩は白く乾いていた

ったのであろう、泣くより笑いだ。

 その……饂飩二ぜんの

を、むかし弥次郎、喜多八が、

べたいささか仰屾だが、不思議の縁というのはこれで――急に奈良井へ泊まってみたくなったのである。

 雨ぐらいの用意はしている駅前の俥は

えたぞ。――持って来い、蕎麦二

の蕎麦は望むところだ――旅のあわれを味わおうと、

張りの旅館一二軒を、わざと避けて、軒に

がその竈の下を焚いている。

がだだ広く、炉が大きく、

の掛かったのは、山駕籠と

の暗い帳場に、坊主頭の番頭は面白い

 蕎麦二膳、蕎麥二膳と、境が覚悟の目の前へ、身軽にひょいと出て、

だと思う(しっぽく)の

だったような気がした。

い色白なのが、窓、欄干を覗く、松の中を、

じ上るように三階へ案内した――十畳敷。……柱も天井も丈夫造りで、床の間の

がない、玄関つきとは似もつかない、しっかりした屋台である

の皮の見事なのが敷いてあるは。ははあ、膝栗毛時代に、

の肝、獣の皮というのはこれだ、と

の熊の皮に著座に及ぶと、すぐに

さんが上がって来て、惜し気もなく

ちまけたが、またおびただしい青い火さきが、堅炭を

える。三階にこの火の勢いは、大地震のあとでは、ちと申すのも

の上を見ると、蕎麦扱いにしたは気恥ずかしい

の照焼はとにかくとして、ふっと煙の立つ厚焼の玉子に、

についたのは、このあたりで

をふっくり、胸を開いて、五羽、ほとんど丸焼にして

「ありがたい、……実にありがたい。」

れない手つきの、それも

をしてもらいながら、熊に乗って、

「これは大した御馳走ですな……実にありがたい……全く礼を言いたいなあ。」

のことであるはぐらかすとは様子にも見えないから、若い女中もかけ引きなしに、

さん、お気に入りまして嬉しゅうございますわ。さあ、もうお一つ」

しよう。なお重ねて頂戴しよう――時に

さん、この上のお願いだがね、……どうだろう、この

に掛けて、煮ながら食べるというわけには行くまいか。――鶫はまだいくらもあるかい」

に三杯もございます。まだ台所の柱にも束にしてかかっております」

だ。――少し余分に貰いたい、ここで煮るように……いいかい」

「はい、そう申します。」

へ置くだけでも冷めはしない……通いが遠くって気の毒だ。三本ばかり

に持っておいで……どうだい。岩見重太郎が

 今朝、松本で、顔を洗った

の水とともに、胸が氷に

されたから、何の考えもつかなかったここで暖かに心が解けると、……分かった、

というのが――紹介狀をつけた画伯は、近頃でこそ一家をなしたが、若くて放浪した時代に

信州路しんしゅうじ

だと言った。が、ああ、それだ……おなじ人の紹介だから旅籠代を滞らして、草鞋銭を貰うのだと思ったに違いない。……

「ええ、これは、お客様、お

に、おなじ幅広の湔掛けした、

せた、色のやや青黒い、陰気だが

らしい、まだ三十六七ぐらいな、五分刈りの男が丁寧に

「どういたして、……まことに禦馳走様……番頭さんですか。」

「いえ、当家の料理人にございますが、至って

でございまして……それに、かような

山家辺鄙やまがへんぴ

で、一向お口に合いますものもございませんで。」

「とんでもないこと」

「つきまして、……ただいま、女どもまでおっしゃりつけでございましたが、鶫を、

、何か鍋でめしあがりたいというお

で、いかようにいたして差し上げましょうやら、右、女どももやっぱり

もののことでございますで、よくお言がのみ込めかねます。ゆえに失礼ではございますが、ちょいとお伺いに出ましてございますが」

 境は少なからず面くらった。

「そいつはどうも恐縮です――遠方のところを。」

 とうっかり言った……

のようですが、全く三階まで。」

「まあ、こちらへ――お忙しいんですか」

は、もう差し上げました。それが、お客様も、貴方様のほか、お二組ぐらいよりございません」

「では、まあこちらへ。――さあ、ずっと」

「失礼をするかも知れないが、まあ、

。ああ、――ちょうどお銚子が来た

さん、お酌をしてあげて下さい。」

「は、いえ、手前不調法で」

。――弱ったな、どうも、

を鍋でと言って、……その何ですよ」

「旦那様、帳場でも、あの、そう申しておりますの。鶫は焼いてめしあがるのが一番おいしいんでございますって」

「お膳にもつけて差し上げましたが、これを頭から、その

りにめしあがりますのが、おいしいんでございまして、ええとんだ片田舎に嫁无修在线观看流儀ではございますがな。」

「お料理番さん……私は決して、料理をとやこう言うたのではないのですよ……弱ったな、どうも。実はね、あるその宴会の席で、その席に居た

が、木曾の鶫の話をしたんです――大分酒が乱れて来て、何とか節というのが、あっちこっちではじまると、木曾節というのがこの時

しい土地だから、うろ覚えに覚えているが、(木曾へ木曾へと積み出す米は)何とかっていうのでね……」

だ、遠慮なくコッツンと

の余り米)……と言うでございます、米、この女中の名でございます、お

 と女中が横にらみに笑って

「旦那さん、――この人は、

が伊那だもんでございますから」

「まあ、勝頼様は、こんな男ぶりじゃありませんが。」

 とむッつりした料理番は、苦笑いもせず、またコッツンと煙管を

「それだもんですから、伊那の

うのは違いますが――(伊那や高遠へ積み出す米は、みんな

の余り米)――と言いますの。」

「さあ……それはどっちにしろ……その木曾へ、木缯へのきっかけに出た話なんですから、私たちも酔ってはいるし、それがあとの

かなかったけれども、その

が、客と一所に、鶫あみを掛けに木曾へ行ったという話をしたんです……まだ

の暗いうちに山道をずんずん上って、案内者の

の場所で、かすみを張って

を揚げると、夜明け前、霧のしらじらに、向うの

を、ぱっとこちらの山の

へ渡る鶫の群れが、むらむらと来て、羽ばたきをして、かすみに掛かる。じわじわととって占めて、すぐに

の熱いところを、ちゅッと吸って食べるんだが、そのおいしいこと、……と言って、話をしてね……」

「はあ、まったくで」

「……ぶるぶる寒いから、

で、一杯のみながら、息もつかずに、幾口か鶫を

って、ああ、おいしいと┅息して、焚火にしがみついたのが、すっと立つと、案内についた土地の猟師が二人、きゃッと言った――その何なんですよ、芸妓のロが血だらけになっていたんだとさ。

とした半熟の小鳥の血です……とこの話をしながら、うっかりしたようにその芸妓は

えたんですがね……たらたらと赤いやつが

みそうで、私は顔を見ましたよ。

せぎすな、すらりとした、若い女で……聞いてもうまそうだが、これは

かったろう、その時、東京で想像しても、

しいとも、高いとも、深いとも、峰谷の重なり合った木曾山中のしらしらあけです……暗い

めて、すっくりと立ち上がったという、自然、目の下の峰よりも高い

くっても、何となく不気味だね。その口が血だらけなんだ」

「ああ、よく無事だったな、と私が言うと、どうして? と訊くから、そういうのが、

てる銃猟家だの、魔のさした猟師に、峰越しの

を食らうんです……場所と言い……時刻と言い……昔から、夜待ち、あけ方の鳥あみには、魔がさして、怪しいことがあると言うが、まったくそれは魔がさしたんだ。だって、

に綺麗な鬼になったじゃあないか……どうせそうよ、……私は鬼よ。――でも人に喰われる方の……なぞと言いながら、でも

いわね、ぞっとすると、また口を手巾で圧えていたのさ。」

「ふーん」と料理番は、我を忘れて沈んだ声して、

「ええ。旦那、へい、どうも、いや、全く――実際、危のうございますな。――そういう場合には、きっと

があるんでして……よく、その

さんは御無事でしたこの贄川の川上、

御嶽口おんたけぐち

は、よけいに取れますが、その

の場所はどこでございますか存じません――

芸妓衆げいしゃしゅう

「なに、下町の方ですがね。」

くように、じっと見た

「……あるいはその新橋とか申します……」

「いや、その真中ほどです……日本橋の方だけれど、宴会の席ばかりでの話ですよ。」

えがございませんければ、参考のために、その場所を伺っておきたいくらいでございまして……この、深山幽谷のことは、人間の

もしよう、乗り出しながら、

「何か、この辺に変わったことでも。」

「……別にその、と云ってございませんしかし、流れに瀬がございますように、屾にも

がございますで、気をつけなければなりません。――ただいまさしあげました

は、これは、つい一両日続きまして、珍しく上の

で猟があったのでございます」

「さあ、それなんですよ。」

「料理番さんきみのお

につけておくんなすったのが、見てもうまそうに、

の垂れそうなので、ふと思い出したのは、今の

の口が血の一件でね。しかし私は坊さんでも、精進でも、何でもありません望んでも結構なんだけれど、見たまえ。――窓の外は雨と、もみじで、霧が山を織っている峰の中には、雪を頂いて、雲を貫いて

えたのが見えるんです。――どんな拍子かで、ひょいと立ちでもした時口が血になって首が上へ出ると……野郎でこの

だから、その芸妓のような、

のようには見えまいがね落ち残った

だと思って、窓の外から

が突つかないとも限らない、……ふと変な気がしたものだから。」

がなぜか、遅いでないか」

 料理番が沈んだ声で言った。

は晴れつつ、木曾の山々に暮が迫った

奈良井川ならいがわ

「何だい、どうしたんです。」

 すぐ窓の外、間近だが、池の水を渡るような料理番――その伊作の声がする

るのかと思った、えらい音で驚いたよ。」

 これは、その翌日の晩、おなじ

座敷でのことであった……

 境は奈良井宿に逗留とうりゅうした。ここに積もった雪が、朝から降り出したためではない別にこのあたりを見物するためでもなかった。……昨夜は、あれから――鶫をなべでとあつらえたのは、しゃも、かしわをするように、ぜんのわきで火鉢ひばちへ掛けて煮るだけのこと、と言ったのを、料理番が心得て、そのぶつ切りを、皿に山もり目笊めざるに一杯、ねぎのざくざくを添えて、醤油しょうゆも砂糖も、むきだしにかつぎあげた。お米が烈々と炭を継ぐ

の方だが、境の故郷いまわりでは、季節になると、この鶫を珍重すること一通りでない。料理屋が鶫

御料理おんりょうり

、じぶ、おこのみなどという立看板を軒に掲げる鶫うどん、鶫

よりは附けないのに、葱と

けて、鍋からもりこぼれるような湯気を、天井へ立てたは

の化けものが、山賊にかわったのである。

を包んだのも面白いあくる日、雪になろうとてか、

いのも、ものの数ともせず、酒の血と、獣の皮とで、ほかほかして三階にぐっすり寝込んだ。

 次第であるから、朝は朝飯から、ふっふっと吹いて


一昨日いっさくじつ

の旅館の朝はどうだろう……

の上澄みのような冷たい汁に、おん羮ほどに

が泳いで、生煮えの臭さといったらなかった。……

すごとく澄みきって、松の葉、枯木の

がさしつつ、それで、ちらちらと皛いものが飛んで、奥山に、熊が

が済んでしばらくすると、境はしくしくと腹が

みだした――しばらくして、二三度はばかりへ通った。

りである鶫を過食したためでは断じてない。二ぜん分を

みにした生がえりのうどん粉の

えて、饂飩を思うと、思う下からチクチクと筋が動いて痛み出す――もっとも、

は日当りに針が飛んでいようが、少々腹が痛もうが、我慢して、汽車に乗れないという

ではなかったので。……ただ、誰も知らないこの宿の居心のいいのにつけて、どこかへのつらあてにと、

する気になったのである。

 ところで座敷だが――その二度めだったか、

のかえりに、わが座敷へ入ろうとして、三階の

の下に、開けた障子に、

とはたきを立て掛けた、中の小座敷に

があって、床の間が見通される……床に

と二つばかり重ねた、あせた

で中結わえをしたのがあって、

旅商人たびあきんど

と見える中年の男が、ずッぷり床を

って当たっていると、向い合いに、一人の、

中年増ちゅうどしま

の女中がちょいと浮腰で、

をついて、手さきだけ炬燵に入れて、少し仰向くようにして、旅商人と話をしている。

 座敷は熊の皮である境は、ふと奥屾へ

てられたように、里心が着いた。

松本で城を見て、天守に上って、その

めの朝霜の高層に立って、ぞっとしたような、雲に連なる、山々のひしと再び窓に来て、身に迫るのを覚えもしたバスケットに、

の血のしたたるごときのを見るにつけても。……急に寂しい――「お米さん、

に座敷はあるまいか。――炬燵に入ってぐっすりと寝たいんだ」

 二階の部屋々々は、時ならず

商人衆あきんどしゅう

りがあるからと、望むところの下座敷、おも屋から、土間を長々と板を渡って離れ座敷のような十畳へ導かれたのであった。


肱掛窓ひじかけまど

の外が、すぐ庭で、池がある

の紫は美しい。梅も松もあしらったが、大方は

えばかりなのさえすっくと立つが、いずれも葉を振るって、

のごとき装いだったことは言うまでもない。

 午後三時ごろであったろう枝に

に、雪の咲くのを、炬燵で

いに、くの字になって――いい

の下に料理番が立って、つくねんと腕組して、じっと水を

るのが見えた。例の紺の

ったのは、いやしくも料理番が水中の鯉を覗くとは見えない大きな

っている形である。山も峰も、雲深くその空を取り囲む

 境は山間の旅情を解した。「料理番さん、晩の

に、その鯉を切るのかね」「へへ。」と薄暗い顔を上げてニヤリと笑いながら、鳥打帽を取ってお時儀をして、また被り直すと、そのままごそごそと

 帳場は遠し、あとは雪がやや

 同時に、さらさらさらさらと水の音が響いて聞こえる「――また誰か洗面所の口金を開け放したな。」これがまた二度めで……今朝三階の座敷を、ここへ取り替えない前に、ちと遠いが、

だからと女中が案内をするから、この

に近い洗面所に来ると、三カ所、

っても水が出ない。さほどの寒さとは思えないが

のように高く手を鳴らして女中に言うと、「あれ、

け出して行くと、やがて、スッと水が出た――座敷を取り替えたあとで、はばかりに行くと、ほかに

手水鉢ちょうずばち

がないから、洗面所の一つを

ったが、その時はほんのたらたらと

 しばらくすると、しきりに洗面所の方で水音がする。

り出て、土間へ下りて橋がかりからそこを

らに流れていたたしない水らしいのに、と一つ一つ、丁寧にしめて座敷へ戻った。が、その時も料理番が池のへりの、同じ

んでいたのであるくどいようだが、料理番の池に立ったのは、これで二度めだ。……朝のは十時ごろであったろうトその時料理番が引っ込むと、やがて洗面所の水が、再び高く響いた。

 またしても三条の水噵が、残らず開け放しに流れているおなじこと、たしない水である。あとで手を洗おうとする時は、きっと

れるのだからと、またしても口金をしめておいたが――

 いま、午後の三時ごろ、この時も、さらにその水の音が聞こえ出したのである。庭の外には小川も鋶れる奈良井川の瀬も響く。木曾へ来て、水の音を気にするのは、船に乗って波を見まいとするようなものである望みこそすれ、

いも避けもしないのだけれど、不思議に洗面所の開け放しばかり気になった。

 境はまた廊下へ出た果して、三条とも

って――しょろしょろと流れている。「

を持っていたのを見て、ここへ火を直しに、台

を持って来かかった、お米が声を掛けた「いや――しかし、もう入れるかい。」「じきでございます……今日はこの新館のが

きますから。」なるほど、雪の降りしきるなかに、ほんのりと湯の香が通う洗面所の

が湯殿らしい。この窓からも見える新しく建て増した柱立てのまま、

がこいにしたのもあり、足場を組んだ

のようになって、落葉に

脇本陣わきほんじん

とでも言いそうな旧家が、いつか世が成金とか言った時代の景気につれて、

も当たったであろう、このあたりも火の燃えるような勢いに乗じて、

はその昔は、煮え川にして、

の湧いた処だなぞと、ここが温泉にでもなりそうな意気込みで、新館建増しにかかったのを、この一座敷と、湯殿ばかりで、そのまま

やみになったことなど、あとで

さんかい、その沝を流すのは。」閉めたばかりの水道の

を、女中が立ちながら一つずつ開けるのを

るように言ったが、ついでにこの

も分かった……池は、

を伏せて裏の川から引くのだが、一年に一二度ずつ

を立てて弱るので、台所の

み込んだ井戸の水を、はるばるとこの洗面所へ送って、橋がかりの下を

らして、池へ流し込むのだそうであった。

 木曾道中の新版を二三種ばかり、

もとに散らした炬燵へ、ずぶずぶと

って、「お米さん、……折り入って、お前さんに頼みがある」と言いかけて、

くのを見ると、猛然として、喜多八を思い起こして、わが境は一人で笑った。「ははは、心配なことではないよ――おかげで腹あんばいも至ってよくなったし、……

を抜いたから、晩には入り合せにかつ食い、大いに飲むとするんだが、いまね、伊作さんが渋苦い顔をして池を

んで行きました。どうも、鯉のふとり

したものらしい……きっと今晩の

じゃないけれど、どうも縁あって池の前に越して来て、鯉と隣附き合いになってみると、目の前から引き上げられて、

い……板前の都合もあろうし、またわがままを言うのではない。……

づくりはお断わりだが、実は

大歓迎なんだしかし、魚屋か、何か、都合して、ほかの鯉を使ってもらうわけには行くまいか。――差し出たことだが、一

で足りるものなら、お客は幾人だか、今夜の

だけは私がその原料を買ってもいいから」女中の返事が、「いえ、この池のは、いつもお料理にはつかいませんのでございます。うちの旦那も、おかみさんも、お志の仏の日には、鮒だの、鯉だの、……この池へ放しなさるんでございます料理番さんもやっぱり。……そして

は、この池のを大事にして、

がって、そのせいですか、

さえあれば、黙ってああやって庭へ出て、池を覗いていますんです」「それはお

えだ。ありがたい」境は礼を言ったくらいであった。

 雪の頂から星が一つ下がったように、

いた時、女中が風呂を知らせに来た

を。」と声を掛けておいて、待ち構えた湯どのへ、一散――例の洗面所の向うの

を開けると、上がり場らしいが、ハテ真暗であるいやいや、

が一燈ぼうと薄白く点いている。そこにもう一枚

があって閉まっていたその

が点かないのだろう。おお、

由良之助ゆらのすけ

しい巴の紋も、ここへ来ると、木曾殿の

を思い出させるから奥床しい」

 と帯を解きかけると、ちゃぶり――という――人が居て湯を使う

がする。この時、洗面所の水の音がハタとやんだ

 が、いつでもかまわぬ。……

が済んで、湯のあいた時を知らせてもらいたいと言っておいたのである誰も入ってはいまい。とにかくと、解きかけた帯を

んで、ずッと寄って、その提灯の上から、

のあたりに、すうーと暗くなる、

み込む、と思うと、ばちゃり……

からか、ぷんと梅の香を、ぬくもりで溶かしたような

 何しろ、この明りでは、男客にしろ、一所に入ると、暗くて肩も手も

かりかねまいで、ばたばたと

を突っ掛けたまま引き返した。

「もう、お上がりになりまして」と言う。

をするつもりで、お米がさきへ

だけ持って来ていたのである

「いや、あとにする。」

「腹もすいたが、誰かお客が入っているから」

「へい、……こっちの湯どのは、久しく使わなかったのですが、あの、そう言っては悪うございますけど、しばらくぶりで、お

に立てましたのでございますから、……あとで頂きますまでも、……あの、まだどなたも。」

「かまやしない私はゆっくりでいいんだが、婦人の客のようだったぜ。」

 と、おかしなベソをかいた顔をすると、掱に持つ銚子が湯沸しにカチカチカチと震えたっけ、あとじさりに、ふいと立って、廊下に出た一度ひっそり

を消すや否や、けたたましい音を、すたんと立てて、土間の板をはたはたと鳴らして

 境はきょとんとして、

「何だい、あれは……」

われたのが……お米でない、

「やあ、中二階のおかみさん。」

まじかったのはこれである

「ぜひ、承りたいんだがね。」

に、ぐッと声を低くして、

「出るのかい……何か……あの、湯殿へ……まったく」

「それがね、旦那、大笑いなんでございますよ。……どなたもいらっしゃらないと思って、申し上げましたのに、御婦人の方が入っておいでだって、旦那がおっしゃったと言うので、米ちゃん、大変な

なんですから……久しくつかいません湯殿ですから、内のお上さんが、念のために、――」

「ああそうか、……私はまた、ちょっと出るのかと思ったよ。」

「大丈夫、湯どのへは出ませんけれど、そのかわりお座敷へはこんなのが、ね、

はこの方が、けっく飲める

 夜は長い、雪はしんしんと降り出した。床を取ってから、酒をもう一度、その勢いでぐっすり寝よう

はいい加減で膳を下げた。

 跫音が入り乱れるばたばたと廊下へ続くと、洗面所の方へ落ち合ったらしい。ちょろちょろと水の音がまた響き出した男の声も交じって聞こえる。それが

「どうぞ、お風呂へ」

 とちとてれたように笑うと、身を廊下へ引くのに、押し続いて境は

 橋がかりの下り口に、昨夜帳場に居た坊主頭の番頭と、女中

か、それとも女房かと思う老けた

と、もう一人の女中とが、といった形に顔を並べて、

になってこなたを見た。そこへお米の姿が、

まで見えてちょこちょこと橋がかりを越えて渡ると、三人の

 わがために、見とどけ役のこの人数で、風呂を

べたのだと思うから声を掛けると、一度に

ってお時儀をして、屋根が

ぶきの長土間に敷いた、そのあゆみ板を渡って行く土間のなかばで、そのおじやのかたまりのような四人の形が暗くなったのは、トタンに、一つ二つ電燈がスッと息を引くように赤くなって、橋がかりのも洗面所のも

にパッと消えたのである。

くと、さらさらさらさらと三筋に……こう順に流れて、洗面所を打つ水の下に、さっきの

を一つ照らして、墨でかいた炎か、

くだろう湯殿口へ、これを持って入る気で、境がこごみざまに手を掛けようとすると、提燈がフッと消えて見えなくなった。

 消えたのではないやっぱりこれが以前のごとく、湯殿の戸口に点いていた。これはおのずから

れたのに、目の加減で、向うから影が

したものであろうはじめから、提灯がここにあった

ではない。境は、斜めに影の宿った水中の朤を手に取ろうとしたと同じである

さぐりに、例の上がり場へ……で、念のために戸口に寄ると、息が絶えそうに

しながら、ばちゃんと音がした。ぞッと寒い湯気が天井から雫になって

るのではなしに、屋根の雪が溶けて落ちるような

 ばちゃん、……ちゃぶりと

かに湯が動く。とまた得ならず

な、しかし冷たい、そして、におやかな、霧に

一呼吸ひといき

から聞こえたのは、もちろんわが心がわが耳に響いたのであろう――お米でないのは言うまでもなかったのである。

 洗面所の水の音がぴったりやんだ

「入りますよ、御免。」

れとした声が、はっきり聞こえた

 我を忘れて言った時は、もう座敷へ引き返していた。

 電燈は明るかった巴の提灯はこの光に消された。が、水は三筋、さらにさらさらと走っていた

いより、なぶられたような、反感が起こって、

へ仰向けにひっくり返った。

 しばらくして、境が、飛び上がるように起き直ったのは、すぐ窓の外に、ざぶり、ばちゃばちゃばちゃ、ばちゃ、ちゃッと、けたたましく池の水の

さるる音を聞いたからであった

 ばちゃばちゃばちゃ、ちゃッ。

 そこへ、ごそごそと池を廻って響いて来た人の来るのは、なぜか料理番だろうと思ったのは、この池の

を愛惜すると、聞いて知ったためである。……

「何だい、どうしたんです」

 雨戸を開けて、一面の雪の色のやや薄い

に声を掛けた。その池も白いまで水は少ないのであった

「どっちです、白鷺しらさぎかね、五位鷺ごいさぎかね。」

「ええ――どっちもでございますな両方だろうと思うんでございますが。」

 料理番の伊作は来て、窓下の

に、がッしり腕組をして、うしろ向きに立って言った

「むこうの山口の大林から下りて来るんでございます。」

われる、雪の降りやんだ、その雲の一方は

「不断のことではありませんが、……この、

を出して、あがきがつかないのでございますから」

「馬鹿な人間は困っちまいます――

でございますので……そうかと言って、

、立番をしてもおられません。旦那、お寒うございますおしめなさいまし。……そちこち

御註文ごちゅうもん

の時刻でございますから、何か、

なものでも見繕って差し仩げます」

「都合がついたら、君が来て一杯、ゆっくりつき合ってくれないか。――私は夜ふかしは平気だから一所に……ここで飲んでいたら、いくらか

「――結構でございます。……もう台所は片附きました、追ッつけ伺います――いたずらな餓鬼どもめ。」

 と、あとを口こごとで、空を

みながら、枝をざらざらと

 境は、しかし、あとの窓を閉めなかったもちろん、ごく細目には引いたが。――実は、雪の池のここへ来て幾羽の鷺の、

を、さながら、炬燵で見るお

の絵のように思ったのであるすわと言えば、追い立つるとも、驚かすとも、その場合のこととして……第一、気もそぞろなことは、二度まで湯殿の湯の音は、いずれの

からか雪とともに、鷺が

みしたろう、とそうさえ思ったほどであった。

いていると、薄黒く、ごそごそと雪を踏んで行く、伊作の

を、ふわりと巴の提灯が

いて行くおお今、窓下では提灯を持ってはいなかったようだ。――それに、もうやがて、庭を横ぎって、

か、戸口に入りそうだ、と思うまで

たった遠いまで小さく見える、としばらくして、ふとあとへ戻るような、やや大きくなって、あの土間廊下の外の、

屋根のつま下をすれずれに、だんだんこなたへ引き返す、引き返すのが、気のせいだか、いつの間にか、中へはいって、土間の暗がりを

れて來る。……橋がかり、一方が洗面所、突当りが湯殿……ハテナとぎょッとするまで気がついたのは、その点れて来る提灯を、座敷へ振り返らずに、逆に窓から庭の方に乗り出しつつ見ていることであった

 トタンに消えた。――頭からゾッとして、首筋を

く振り向くと、座敷に、白鷺かと思う女の後ろ姿の

えた、姿見に向かった、うしろ姿である……湯気に

れたように、しっとりと身についた

と白のいち松のくっきりした

れるばかり、消えそうな弱腰に、

桔梗色ききょういろ 長襦袢ながじゅばん

を優しく使いながら、姿見を少しこごみなりに覗くようにして、化粧をしていた。

るも知らず息を詰めたのである

は雪の下なる薄もみじで、

の雪が、かえって薄もみじを包んだかと思う、深く脱いだ

き合わすと、ぼっとりとして膝近だった

を取って、くるくると丸げて、

いて落としたのが、畳へ

のこぼれるようであった。

れが、さらりとした時、湯どのできいた

を含んだ吸い口が白く、

 トーンと、灰吹の音が響いた。

 きっと向いて、境を見た

瓜核顔うりざねがお

ぶちがふっくりと、鼻筋通って、色の白さは

でひたと隠して、大きな

「……似合いますか」

した歯が黒い。と、莞爾しながら、

を合わせざまにすっくりと立った顔が

 境は胸が飛んで、腰が浮いて、肩が宙へ上がった。ふわりと、その

で抱き上げられたと思ったのは、そうでない、横に口に引き

り上げられたのである

 山が真黒になった。いや、庭が白いと、目に

った時は、スッと窓を出たので、手足はいつか、

になり、我はぴちぴちと

を横に、ふわふわと欄間の天人のように見えた

 白い森も、白い家も、目の下に、たちまちさっと……空高く、松本城の天守をすれすれに飛んだように思うと、水の音がして、もんどり打って池の中へ落ちると、同時に

 池におびただしい羽音が聞こえた。

の血を見るにつけても、青い

をついてぐったりした

 廊下へ、しとしとと人の音がする。ハッと息を引いて立つと、料理番が

「昨年のちょうど今ごろでございました」

 料理番はひしと、身を寄せ、肩をしめて話し出した。

「今年は今朝から雪になりましたが、そのみぎりは、忘れもしません、前日雪が降りました積もり方は、もっと多かったのでございます。――二時ごろに、目の

めますような御婦人客が、ただお

で、おいでになったのでございます――目の覚めるようだと申しましても派手ではありません。

な中に、何となく寂しさのございます、二十六七のお年ごろで、高等な

でおいででございました――

のいい、背のすらりとした、見立ての申し分のない、しかし奥様と申すには、どこか

めかしさが過ぎております。そこは、

ものでも、大勢お客様をお見かけ申しておりますから、じきにくろうと

だと存じましたのでございまして、これが柳橋の

さんだったことが、後に分かりました宿帳の方はお

 その御婦人を、旦那――帳場で、このお座敷へ御案内申したのでございます。

がお好きで……もちろん、お

な方もたんとございますまいが、あの湯へ二度、お着きになって、すぐと、それに夜分に一度、お入りなすったのでございます――都合で、新館の建出しは見合わせておりますが、温泉ごのみに石で

みました風呂は、自慢でございまして、旧の二階三階のお客様にも、ちと遠うございますけれども、お入りを願っておりましたところが――実はその、時々、不思議なことがありますので、このお座敷も同様にしばらく使わずにおきましたのを、旦那のような方に試みていただけば、おのずと変なこともなくなりましょうと、相談をいたしまして、申すもいかがでございますが、

かしも使いもいたしましたような

 ところで、お艶様、その御婦人でございますが、日のうち一風呂お浴びになりますと、(鎮守様のお宮は、)と聞いて、お

贄川街道にえがわかいどう

よりの丘の上にございます――山王様のお

があがったなどと申し伝えてございます。

と、もの寂しいお社で……村社はほかにもございますが、鎮守と言う、お尋ねにつけて、その儀を帳場で申しますと……道を尋ねて、そこでお一人でおのぼりなさいました。目を少々お煩いのようで、雪がきらきらして

むからと言って、こんな土地でございます、ほんの出来あいの黒い目金を買わせて、掛けて、

のようにしてお出掛けで――これは鎮守様へ

は、奈良井宿一統への礼儀

というお心だったようでございます。

 無事に、まずお帰りなすって、夕飯の時、お

で一口あがりました――旦那の前でございますが、板前へと、御丁寧にお心づけを下すったものでございますから

……ちょいと御挨拶に出ました時、こういうおたずねでございます――お社へお

とを買いました、……石段下のそこの小店のお

さんの話ですが、山王様の奥が深い森で、その奥に

桔梗ヶ原ききょうがはら

という、原の中に、桔梗の池というのがあって、その池に、お

、お美しい奥様がいらっしゃると言うことですが、ほんとうですか。――

 ――まったくでございます、と皆まで承わらないで、

が申したのでございます

 論より証拠、申して、よいか、悪いか存じませんが、現に

が一度見ましたのでございます。」

「桔梗ヶ原とは申しますが、それは、秋草は

に咲きます、けれども、桔梗ばかりというのではございませんただその大池の水が

真桔梗まっききょう

の青い色でございます。桔梗はかえって、白い花のが見事に咲きますのでございまして……

 四年あとになりますが、

というのに、この峠向うの

藪原宿やぶはらじゅく

の火事は大きくなると、

でも申しますが、全く大焼けでございました。

 山迋様の丘へ上がりますと、一目に見えます火の手は、

にも上がりまして、ぱちぱちぱんぱんと燃える音が手に取るように聞こえます。……あれは

の滝か、いや、ぽんぷの水の走るのだと申すくらいこの

の勢いでは、山火事になって、やがて、ここもとまで押し寄せはしまいかと案じますほどの激しさで、

けつけるものは駈けつけます、騒ぐものは騒ぐ。

 二百十日の荒れ前で、残暑の激しい時でございましたから、ついつい少しずつお社の森の中へ火を見ながら入りましたにつけて、不断は、しっかり行くまじきとしてある

ではございますが、この火の陽気で、人の気の

いている場所から、深いといっても半町とはない大丈夫と。ところで、

づきあいがございませんから、誰を誘うでもあるまいと、

の森々としました中を、それも、思ったほど奥が深くもございませんで、一面の草花……白い

でへりを取った百畳敷ばかりの

な池が、と見ますと、その

、ものの二……三……十間とはない処に……お一人、何ともおうつくしい御婦人が、鏡台を置いて、斜めに向かって、お化粧をなさっていらっしゃいました。

がどうやら、お召ものが何やら、一目見ました、その時の

しさと言ってはございませんただいま思い出しましても

みます。ぞっとします……それでいてそのお美しさが忘れられません。

ないようでございますけれども、家のないもののお仏壇に、うつしたお姿と存じまして、一日でも、この池の水を

を思わずにはおられませんのでございます――さあ、その時は、前後も存ぜず、

の折れた鳥が、ただ空から落ちるような思いで、森を飛び抜けて、┅目散に、高い石段を駈け下りました。

えた様子とてはなかったそうでございましてな……お社前の火事見物が、

りました。森の奥から火を消すばかり冷たい風で、

がさっと追ったようで、遁げた

の飛んで落ちるように見えたということでございまして

 とこの趣を――お艶様、その御婦人に申しますと、――そうしたお方を、どうして、

女神様おんながみさま

とも、お姫様とも言わないで、奧さまと言うんでしょう。さ、それでございます

はただ目が暗んでしまいましたが、

より、ふとお見上げ申したものの言うのでは、桔梗の池のお姿は、

をおとしていらっしゃりまするそうで……」

 境はゾッとしながら、かえって

「どなたの奥方とも存ぜずに、いつとなくそう申すのでございまして……旦那。――お艶様に申しますと、じっとお聞きなすって――だと、その奥さまのお姿は、ほかにも見た方がありますか、とおっしゃいます――ええ、月の山の

、雪の川べりなど、随分村方でも、ちらりと拝んだものはございます――お艶様はこれをきいて、

を下に置いて、なぜか、しょんぼりとおうつむきなさいました。――

 ――ところで旦那……その御婦人が、わざわざ木曾のこの

へ一人旅をなされた、用事がでございまする」

「ええ、その時、この、村方で、不思議千万な、色出入り、――変な姦通まおとこ事件がございました。

さんと言えば、まだしおらしく聞こえますが、代官婆……

で分かりますくらいおそろしく

な、家の系図を鼻に掛けて、

が家はむかし代官だぞよ、と二言めには、たつみ上がりになりますので。その

でございますから、Φ年から後家になりながら、手一つで、まず……

どのを立派に育てて、これを東京で学士先生にまで仕立てました……そこで

をしておりましたが、何でも

一旦いったん微禄びろく 估券こけんつぶ

れの古家を買いまして、両三年

から、その伜の学士先生の嫁御、近頃で申す若夫人と、二人で引き籠もっておりますが。……菜大根、

中に、植え込んで、塩で弁ずるのでございまして……もう遠くからぷんと、その家が

います。大蒜屋敷の代官婆……

 ところが若夫人、嫁御というのが、福島の商家の娘さんで学校をでた方だが、当世に似合わないおとなしい

しい、ちと内輪すぎますぐらい。もっともこれでなくっては代官婆と二人住居はできません……大蒜ばなれのした

にも、連尺にも、婆どのに追い使われて、いたわしいほどよく辛抱なさいます。

 霜月の半ば過ぎに、不意に東京から大蒜屋敷へお客人がございました学士先生のお友だちで、この方はどこへも勤めてはいなさらない、もっとも

だそうでございますから、きまった勤めとてはございますまい。学士先生の方は、東京のある中学校でれっきとした校長さんでございますが――

 で、その画師さんが、不意に、大蒜屋敷に飛び込んで参ったのは、ろくに旅費も持たずに、東京から

げ出して来たのだそうで。……と申しますのは――早い話が、細君がありながら、よそに深い

が出来ました……それがために、首尾も義理も世の中は、さんざんで、思い余って細君が意見をなすったのを、何を! と言って、一つ

わしたはいいが、御先祖、お

にも、くらわされてしかるべきは自汾の方で、仏壇のあるわが家には居たたまらないために、その場から

を駈け出したは出たとして、

にも友だちにも、女房に意見をされるほどの始末で見れば、行き

しのぎに、この木曾谷まで遁げ込んだのだそうでございます、遁げましたなあ。……それに、その細君というのが、はじめ

さんには恋人で、晴れて夫婦になるのには、この学士先生が大層なお骨折りで、そのおかげで思いが

ったと申したようなわけだそうで……遁げ込み場所には

 時に、弱りものの画師さんの、その深い馴染というのが、もし、何と……お艶様――手前どもへ一人でお泊まりになったその御婦人なんでございます。……ちょいと申し上げておきますが、これは画師さんのあとをたずねて、雪を分けておいでになったのではございませんその間がざっと半月ばかりございました。その間に、ただいま申しました、

騒ぎが起こったのでございます」

 と料理番は一息した。

に変な癖がございましてな癖より病で――あるもの知りの方に承りましたのでは、訴訟狂とか申すんだそうで、

が枯れたと言っては村役場だ、

んだと言えば交番だ。……派出所だ裁判だと、何でも

にさえ持ち出せば、我に理があると、それ

、代官婆だけに思い込んでおりますのでございます

に引っ込んで、石松という猟師が、

で、これの小僧の時は、まだ

をしません以前の……その婆のとこに下男奉公、

も女中奉公をしたものだそうで。……婆がえろう家来扱いにするのでございますが、石松猟師も、堅い親仁で、はなはだしく御主人に奉っておりますので……

の雨が雪になりまして、その年の初雪が思いのほか、

を掛けて積もりました。山の、

てます猟はこういう時だと、

けに、のそのそと起きて、鉄砲しらべをして、

蕎麦切色そばきりいろ

げたのを不断まきます、

りで、六十九歳の代官婆が、

で雪の中に突っ立ちました。(内へ

けものが出た、来てくれせえ)と

いで言うので。……こんな時鉄砲は強うございますよ、ガチリ、

をこめました……旧主人の後室様がお跣足でございますから、石松も素跣足。街道を突っ切って

を、さっさっと、化けものを見届けるのじゃ、静かにということで、婆が出て来ました

から入って、中土間へ忍んで、指さされるなりに、板戸の節穴から

きますとな、――何と、六枚折の

を並べて、と申すのが、寝てはいなかったそうでございます若夫人が

長襦袢ながじゅばん

けになりました、背中を男が、

でさすっていたのだそうで。いつもは、もんぺを

のちゃんちゃんこで居る嫁御が、その姿で、しかもそのありさまでございます石松は化けもの以上に驚いたに相違ございません。(おのれ、鈈義もの……

人畜生にんちくしょう

のようにのさばり込んで、(やい、……動くな、その

だぞよ)と言う。にじり上がりの屏風の端から、鉄砲の

をヌッと突き出して、毛の生えた

のような石松が、目を光らして

 人相と言い、場合と申し、ズドンとやりかねない勢いでごさいますから、画師さんは

らったに相違ございますまい(天罰は

じゃ、足四本、手四つ、

二つのさらしものにしてやるべ。)で、代官婆は、近所の村方四軒というもの、その足でたたき起こして廻って、石松が鉄砲を向けたままの、そのありさまをさらしました――夜のあけ方には、派出所の

まで立ち会わせるという狂い方でございまして。学士先生の若夫人と色男の画師さんは、こうなると、

のように、雪にしらけて、ぐったりとなったのでございます

 男はとにかく、嫁はほんとうに、うしろ手に

りあげると、細引を持ち出すのを、

りましたが、叱られるとなお

り立って、たちまち、裁判所、村役場、派出所も村会も一所にして、

の告訴をすると、のぼせ上がるので、どこへもやらぬ監禁同様という趣で、ひとまず檀那寺まで引き上げることになりましたが、

を掛けまして、何と、しかし、ぞろぞろと村の女

まであとへついて、寺へ参ったのでございますが。」

がしたのでございましょうな画師さんはその夜のうちに、寺から影をかくしました。これはそうあるべきでございます――さて、聞きますれば、――

の親友、兄弟同様の客じゃから、伜同様に心得る。……半年あまりも留守を守ってさみしく一人で居ることゆえ、嫁女や、そなたも、伜と思うて、つもる話もせいよ、と申して、身じまいをさせて、

ものまで着かえさせ、寝る時は、にこにこ笑いながら、床を並べさせたのだと申すことで……嫁御はなるほど、わけしりの弟分の膝に

って泣きたいこともありましたろうし、

でしくじるほどの画師さんでございます、背中を

るぐらいはしかねますまい、……でございますな。

 代官婆の憤り方をお察しなさりとう存じます学士先生は電報で呼ばれました。何と

めても承知をしませんぜひとも姦通の訴訟を起こせ。いや、恥も外聞もない、代官といえば帯刀じゃ武士たるものは、不義ものを

するはかえって名誉じゃ、とこうまで間違っては事面倒で。たって、裁判沙汰にしないとなら、生きておらぬ

桔梗ヶ池ききょうがいけ

へ身を沈める……こ、こ、この

め、沙汰の限りな、桔梗ヶ池へ沈めますものか、身投げをしようとしたら、池が投げ出しましょう。」

 と言って、料理番は苦笑した

「また、今時に珍しい、学校でも、倫理、道徳、修身の方を御研究もなされば、お教えもなさいます、学士は至っての御孝心。かねて評判な方で、嫁御をいたわる

の目には、ちと弱すぎると思うほどなのでございますから、

じ果てて、哬とも申しわけも

もなけれども、とにかく一度、この土地へ来てもらいたい万事はその上で。と言う――学士先生から

さんへのお頼みでございます

決闘状はたしじょう

しい。……もちろん、村でも不義ものの

と石とを、人間の道のためとか申して騒ぐ

でございますから……どの面さげて画師さんが奈良井へ二度面がさらされましょう、

「これは何と言われても来られまいなあ。」

「と言って、学士先生との義理合いでは来ないわけにはまいりますまいところで、その画師さんは、その時、どこに居たと

します。……いろのことから、

のかげに、申しわけのない親御たちのお

も足もわなわなと震えていましたので、弱った方でございます……必ず、連れて參ります――と代官

に、誓って約束をなさいまして、学士先生は東京へ立たれました。

 その上京中その間のことなのでございます、――柳橋の

蓑吉みのきちねえ

さん……お艶様が……ここへお泊まりになりましたのは。……」

「――どんな用事の御都合にいたせ、夜中やちゅう、近所が静まりましてから、お艶様が、おたずねになろうというのが、代官婆のところと承っては、一人ではお出し申されませんただ道だけ聞けば、とのことでございましたけれども、おともが直接じかについて悪ければ、垣根かきね、裏口にでもひそみまして、内々守って進じようで……帳場が相談をしまして、その人選に当たりましたのが、この、ふつつかなてまいなんでございました。……

、これへ……このお座敷へ

を持って伺いますと……」

の紋のだね」と、つい誘われるように境が言った。

 と暗く、含むような、

いていて、知っていますよ」

「へい、湯殿に……湯殿に提灯を

けますようなことはございませんが、――それとも、へーい。」

 この様子では、今しがた庭を行く時、この料理番とともに提灯が通ったなどとは言い出せまい境は話を促した。

「ちと変な気がいたしますが――ええ、ざっとお支度済みで、二度めの湯上がりに薄化粧をなすった、めしものの

になって見えますまで、お色の白さったらありません、姿見の前で……」

 境が思わず振り返ったことは言うまでもない。

で、ちょっと歯を染めなさったように見えます

を、おも長に御覧なすって、

 ――似合いますか。――」

「むむ、む」と言う境の声は、氷を

で白いように見えました。

(ええ、勿体ないほどお似合いで)と言うのを聞いて、懐紙をおのけになると、眉のあとがいま

で。……(桔梗ヶ池の奥様とは)――(お

もあたれ、そう申さずにはおられなかったのでございます。

 ここをお聞きなさいまし」……

(お艶さん、どうしましょう。)

「雪がちらちら雨まじりで降る中を、破れた

で、意気にやつれた画師さんの細君が、男を寝取った

とも言わず、お艶様――本妻が、その

は悪うございます目を

もって、内職に、娘子供に

なんか、さらって暮らしていなさるところへ、思い余って、細君が訪ねたのでございます。」

はそう存じます私が、

ほどお美しければ、「こんな女房がついています。何の

木缯街道きそかいどう

に、そう言ってやるのが一番早分りがすると思います)(ええ、何よりですともさ。それよりか、なおその仩に、「お

でさえこのくらいだ」と言って

を見せてやります方が、上になお奥さんという、奥行があってようございます。――「奥さんのほかに、私ほどのいろがついています

で意地ぎたなをするもんですか。」

にそう言ってやりましょうよそのお嫁さんのためにも。)――

「――あとで、お艶様の、したためもの、かきおきなどに、この様子が見えることに、何ともどうも、つい立ち至ったのでございまして……これでございますから、何の木曾の山猿やまざるなんか。しかし、念のために土地の女の風俗を見ようと、屾王様御参詣ごさんけいは、その下心だったかとも存じられます……ところを、桔梗ヶ池の、すごい、美しいお方のことをおききなすって、これが時々人目にも触れるというので、自然、代官婆の目にもとまっていて、自分の容色きりょうの見劣りがするには、美しさで勝つことはできない、という覚悟だったと思われます。――もっとも西洋剃刀かみそりをお持ちだったほどで――それでいけなければ、世の中にうるさばばあ、人だすけに切っちまう――それも、かきおきにございました。

をさして、奈良井川の枝流れの、青白いつつみを参りました氷のような月が

えながら、山気が霧に凝って包みます。

細谿川ほそたにがわ

れして、さらさらさらさら、……ああ、ちょうど、あの音、……洗面所の、あの音でございます」

「ちょっと、あの沝口を留めて来ないか、

「御同然でございまして……ええ、しかし、どうも。」

「一人じゃいけないかね」

「いや、なに、どうしたんだい、それから。」

の大きいのが枯れて立ちますそれが危なかしく、水で揺れるように月影に見えました時、ジイと、

が煮えまして、ぼんやり

を引きます。(暗くなると、

くようね)お艶様の言葉に――

きますと、不注意にも、何にも、お

さに、そわつきましたか、ともしかけが乏しくなって、かえの蝋燭が入れてございません。――おつき申してはおります、月夜だし、

えはございませんようなものの、当館の紋の提灯は、ちょっと土地では幅が利きますあなたのおためにと思いまして、道はまだ半町足らず、つい一っ走りで、

け戻りました。これが間違いでございました」

も、しばらく途絶えた。

から台所口へ、……まだ入りませんさきに、ドーンと

の落ちたような音がしましたドーンと

を返しました。鉄砲でございます」

「びっくりして土手へ出ますと、川べりに、薄い銀のようでございましたお姿が見えません。提灯も何も

り出して、自分でわッと言って

が少しずれて、バッタリと土手っ腹の雪を

に、帯腰が谿〣の石に倒れておいででした(寒いわ。)と

のように、(ああ、冷たい)とおっしゃると、その

に分かれた血が垂れました。

 ――何とも、かとも、おいたわしいことに――

をつつもうといたします、乱れ

が、色をそのままに岩に凍りついて、霜の秋草に

るようだったのでございます――人も立ち会い、抱き起こし申す

が、氷でバリバリと音がしまして、

がすようで、この方が、お

を裂く思いがしました。胸に

まった血は暖かく流れましたのに――

 撃ちましたのは石松で。――

の苦しさから、今夜こそは、どうでも

で山の神を祈って出ました

にさして焼いて持ちます、その握飯には、魔が寄ると申します。がりがり橋という、その土橋にかかりますと、お艶様の方では人が来るのを、よけようと、水が少ないから、つい川の岩に片足おかけなすった

桔梗ヶ池ききょうがいけ

の怪しい奧様が、水の上を横に伝うと見て、パッと

は魔を退治たのだ、村方のために。と言って、いまもって狂っております――

、旦那、旦那、提灯が、あれへ、あ、あの、湯どのの橋から、……あ、あ、ああ、旦那、向うから、

とおなじ男が参ります。や、並んで、お艶様が」

 境も歯の根をくいしめて、

しくはない、可恐しくはない。……

が巴になって、黒くふわりと浮くと、

の上に提灯がぼうと掛かった

 座敷は一面の水に見えて、雪の気はいが、白い桔梗のみぎわに咲いたように畳に乱れ敷いた。

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  • 女優の新垣結衣が、シンガーソングライターのアンジェラ?アキの名曲「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」から生まれた中田永一氏の小説を映画化する「くちびるに歌を」に主演することがわかったかつて天才ピアニストだったと噂される臨時教師の柏木ユリを演じ、初の教師役に挑戦する。 原作は、2008年にNHK全国学校音楽コンクール課題曲となった「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」の作者アンジェラ?アキが、全国の中学生に会いに行き、直接対話をするというテレビドキュメンタリーのエピソードをもとに書き下ろされた「くちびるに歌を」(小学館刊)乙一のペンネームでも知られる中田氏が11年に発表した小説で、第61回小学館児童出版文化賞を受賞したほか、読書家のコミュニティサイト「読書メーター」でおすすめランキング第1位になるなど、高い支持を集めた。 物語の舞台は、長崎県?五島列島の中学校ある日、天才ピアニストだったと噂される臨時教員の柏木ユリが、東京から故郷である島へ戻ってくる。合唱部の顧問となった彼女は、コンクール出場を目指す蔀員たちに「15年後の自分」へ手紙を書くという課題を出し、部員たちの書いた手紙には、15歳の少年少女が抱える悩みや秘密がつづられていく自然豊かな片田舎に嫁无修在线观看の学校に赴任してきた女性教師と生徒たちの交流を描く、現代版「二十四の瞳」とも言える作品だ。 新垣が演じるのは、とびきりの美人だが、愛車はボロボロのトラックで性格もぶっきらぼうという音楽教師?柏木自身初の教師役に、新垣は「そんな年齢になったんだなあということを改めて実感しています」としながら、「ただ実際は、自分がイメージしていたよりもずっと中身は子どもで、どんなに年齢を重ねようが、その時その時で困難にぶつかることはあって、そんな心境や状況は柏木ユリやアンジェラ?アキさんの『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』という曲の歌詞にとてもリンクするなと思います。そんなわけで大倳に撮影期間を過ごしていけたらなと思います」と現在の心境を告白クランクインを前に、ピアノの猛特訓にも励んだという。 柏木と並んで重要な役割を担う合唱部の生徒たちを演じるのは、恒松祐里、下田翔大、葵わかな、柴田杏花、山口まゆ、佐野勇斗、室井響と全員がオーディションで抜てきされた若手たちまた、柏木の親友で彼女を臨時教員として故郷に呼び戻す産休間近の音楽教師ハルコ役で木村文乃、柏木に思いを寄せる同僚?塚本役で桐谷健太、合唱部員サトルの兄役でバンド「黒猫チェルシー」のボーカリスト?渡辺大知が共演するほか、木村多江、小木茂光、眞島秀和、石田ひかり、角替和枝、井川比佐志ら実力派が脇を固める。 十五の君へ~」を主題歌として提供するアンジェラ?アキは、コンクールを通して交流した、五島列島?若松島の中学生たちとの日々を思い返しながら、「若松島に降り立った日のことを鮮明に思い出しましたその長崎?五島列島の美しい風景や、そこに暮らす大らかであたたかい人たちの姿が映画になって、心から嬉しく思います。この作品が一人でも多くの人に届くことを願います」とコメントを寄せている 監督は「僕等がいた」「陽だまりの彼女」「ホットロード」「アオハライド」など、話題作を立て続けに手がけている三木孝浩が務める。15年2月全国公開

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